4.実際の会話(続き)
Ⅰ.女性はどうしても彼の事が許せない
続いて、彼を恨んでいる女性について話を聞いてみました。
参考:前世コラム その11. 男女間でのよくある問題を無くすには
彼女は、自分の一生守ると約束したのに、約束を守らなかった事に関して恨んでいたのです。
守れない約束なら最初から言わないでほしいと。
ここで質問をしました。
「あなたは自分の死ぬ時って判るのですか。」
彼女は、判らないとの事でした。
「それでは彼の死ぬ時期って判っていましたか?」
当然判るはずもありません。
「まず、あなたは自分の行動、判断に責任を持てていない」
と言いますと、彼女は泣きそうになっていました。
それでも彼女は謝ってくれないと気が済まないと言ってきました。
(謝っても恐らく許さないだろうな、とは思いましたが)
Ⅱ.男性側は困っている
次に男性側に聞いてみました。
実際にはストーカー行為に近く、子供が欲しいと言ってきたのは彼女から、死ぬまで命を守るというのを頭から信じ込む方がおかしい、という事でした。
それは私も同感でした。
1回目はここで時間が来た為終了となりました。(2020年5月9日)
話としてはほぼ終わっていて、次に彼女にいくつか話すことで解決するだろうとは思いましたが。
ですが、とても長引く事となるのです。
恨みの念をほどくのは大変な事が多いのですが、この後もいつもの倍以上時間を使う事となりました。
5.2回目の前世ヒーリング(2020年5月14日)
この時は、最初に男性側から話しをしました。
時代背景、愛人だから、また、望んだのは女性側。
という事を差し引いても、子供は作ったので責任はあるよ。
特に愛人との子を作ると、その後も恨まれ続ける事になりかねない事。
それはとてもしんどいもの、という事を伝えました。
彼は半分は理解していたものの、彼女のしつこさに怖いものを感じて、根負けしてしまった感じで手の打ちようが無かった、との事でした。
断っても恨まれそう、とか。実際のところストーカー状態でしたから。
だから、死ぬまで守るとは、軽はずみと言えばそれまでの所はありますが、それでもちょっと彼がかわいそうではありました。
そこで、次は女性側に話をしました。
彼女は、男性側から謝ってほしいとの事でしたが、男性側の事情を聞く限り、この時の転生では男性側の非はあんまりないな、と思ったのです。
彼女は、約束を守らなかった事に関して許せない。
男性側は、善意で助けてあげた。できる限り望みを聞いた。
2人は並行線なのです。
そこでヒーリングの先生がこういいました。
「別の前世に原因がありそう。ちょっと見てみましょうか」
そして別の前世へと話が移ります。
彼女もここまで追いかけた理由も明らかになります。
6.平安時代、地方豪族のお話
場所は神戸。
平安時代中期。
その時は神戸の地方豪族です。
荘園を営んでいました。地主ですね。
ライフレコード上では、初めて権限のある立場になった為か、遊びに爆発します。
歌、琴、蹴鞠等、俗に言う貴族のしている事を真似ていたようです。
また、女性遊びが激しく、妻子は作らなかったようです。
度々催しもしましたが、今回の彼女はその時の人です。
女性は単に、貴族の人なので素敵だろうな、という程度です。
当時は、現在と違い情報があまり無い時代なので、そのように信じ込んでいたようです。
Ⅰ.彼女の言い分
彼女は、もて遊ばれた感が非常に強く思っていました。
この傷ついた身体をどうしてくれるの?という感じです。
彼女は商人の子のようでしたが、両親は一途に子の事を思う立派な親で、また父親は母親に一途です。
彼女的には、どの男性もこのような感じで、一様に一途なものだと思っていたようです。
Ⅱ.彼を説得
次に彼に説得をしてみました。
しかし、彼は遊びという前提は言わなくてももう判っているでしょう?
という感じで、悪い事をしたとは全く思っていなかったようです。
むしろ頂いた会費分の事以上にもてなしたし、ここでは恋はゲームという事でした。
現代で判り易く言えば、ホストクラブみたいになるのかもしれませんが、しかし、出す食事や、庭園の素晴らしさ、当時の流行は、和歌、琴、蹴鞠、等最先端の事にに関してはしっかりふるまったという感覚があったようなのです。
確かに出てくる映像は風情があるものも多いので、芸術観点、この他にも占術観点(恋占いっていつの時代もやっぱり人気です)でも、かなり本格的に取り組んでいた感もあります。
彼は本当に楽しそうです。楽園を実現していましたから、もうしっかりこの世界を堪能していたようですね。
そして、彼女が傷ついている事を伝えても、そもそも遊びである事は、言わなくても判っていないといけない。という事でした。
実際、彼は動物から転生後、かなり初期の頃ですので、しかも人間転生上、初めてこのような暮らしを実現したから、女性遊びにもはまってしまったのも無理がなかったのかもしれません。仕方が無い部分もありそうです。
さらには、いくら女性が傷ついた事を伝えても、彼は全く話を聞こうともしません。
ちなみに彼の人生では、彼的には迷惑かけたとは全く思っていませんし、実際多くの女性を満足させた自負もあったようです。確かにこの時出てきた女性達の6割は現世でも仲良い関係です。
一方、この時出てきた2割の女性からはその後、恨みを買っているようです。
そもそも、貴族の遊びという概念自体知らない人も多かった事が一因にありそうです。
この転生上、彼は恨みを買っている女性に気付いていない点が落度なのですが、その後未来世で、一例では飛鳥朝時代の時にストーカーされてしまう事となったのです。
ここで、私は結論を出しました。
男性は極めて動物的になる時代ってあるもの。
それも聞く耳貸さない次元にまでなってしまう事。
それは珍しくないという事です。
そして、彼にはこれ以上言っても無駄という事も判りました。(完全に聞く耳持たない、こういう前世はエジプト王の前世に次ぎ、2回目と思います。珍しいですね。それ位心奪う何かがあるのでしょう。)
Ⅲ.彼女を説得
「彼は悪いと思っていないし、謝る気も全くありません。あなたが関係を持った彼とはそういった存在です。極めて動物的です。あなたが思っている理想の人ではありません。」
「というより、男性ってそういう転生ってあるものですし、実際そういった男性も結構多い。そういった理解が必要です。」
この時彼女は、あんまり認めたくないようでした。
「もう少し言えば、これは自信を持って言いますが、あなたも男性の前世の時には同じ事をしています。だからこう言った目に遭っているのです。」
彼女はこう言いました。
「今の私には関係ない。絶対にそんな事はしていませんし。」
と感情的になって聞き入れません。
「男性は繋がるまでが目的のところがある、女性はそこからが始まりのところはある。という違いは理解しておかなくてはならないと思います。」
「だから、女性側も、覚悟が持てない相手には身体を許さない事は重要です。」
しかし、彼女はこう言いました。
「繋がったからこそ判る事もある。繋がらなければ判らない事もある。」
私はこう返しました。
「だからこそ、繋がる前の見る目が大事。」
「それでは、私の見る目が無いの?」
「その通りです。自分の判断基準は絶対に持たなければならない。」
「例えば、彼の噂(地主なので)、評判を聞いてみるとか。そういった情報を集めてみるとか。」
彼女を正すというよりは、先に目的を作った方がよいのかなと思いこう言いました。
「あなたの理想はどのような人ですか?」
彼女は
「一途に私の事を思ってくれる人」
「では、一途な人の特徴って判りますか」
「お父さんのような人」
「彼にはそのような特徴がありましたか?共通するものがありましたか?」
彼女曰く、彼は私の理想の人では無いという事がはっきり判ったのです。
この時、彼女は恨みの感情が消えました。
しかし、彼女にとって恨みの感情が消えたのは、アドバイスの内容の良し悪しではなく、彼女の幸せを願って話し合ったのかどうかだったのです。
実は、彼女はライフレコード上、愛情が欠けていたことが本当に多く、だから愛を埋め合わせてくれるものをずっと求めていたのです。
この為、彼女は優しい言葉には本当に弱く、この時の前世の私もそこにつけこんだようです。
心底彼女の幸せを願って一緒に話し合えた存在ずっといなかった事が苦しかったのですね。
彼女の両親はしっかりした人ではありましたし、父親も一途な人ではあったようですが、しかし、彼女の本当の心までは向き合ってなかったようです。
そして、彼女はこう結論付けました。
「この人は、私の理想では無かった。その事がよく判りました。」
(私の前世に対してなので、ちょっと複雑ですが)
しかし、この流れで恨みの念が解消されたのです。
7.飛鳥朝時代の前世はどうなったのか?
この時、私は、飛鳥朝時代の前世がどうなったのか気になりました。
ひょっとして愛人関係にすらなっていないのでは?と思っていましたが。
しかし、愛人関係は継続、子供も居たようです。
ですが、先に死んだ彼については恨んではいませんでしたし、恨みの念はこちらでも解消されていたのです。
8.彼女が男性の前世の時の特徴
彼女は、男性の前世の時にもやはり複数の女性とは出会っていて、しかし、彼女が男性の時は愛を満たせる相手を求めていたようなのです。
型としては同じでも動機は確かに違います。
彼女が男性の時の前世では愛を満たす為に複数の相手を求める。
私の前世では、楽園を追求する為、複数の相手を求める。
しかし、どちらが良いかどうかは判りません。
また、いつまでもその状態に留まる事も無いでしょう。
実際には修正を加えていかないと負の想念の原因になりますので、基本的には、どちらも良くない部分はあると言えそうですが。
9.実は現世でもお会いしている人
実は、この前世の女性とは現世で既に出会っています。
自身が会社の経営者側で、彼女は従業員でしたが、非常に仲が悪い。
というか、何故あそこまで敵対、嫌悪感の感情で居続けたか不思議だったのです。
表現が難しいのですが、愛が1、憎しみが9という感じの複雑な念でしたが、ベースが恨みというのも今回の前世ヒーリングで納得です。
当時には見えてませんでしたが、彼女のライフレコードでは愛の欠乏がやっぱり全てにおいての主原因だったのです。
ですから、いつの時代も周囲は腫れ物にさわる感じで、それは当の本人も判っていて、でも、反発してしまう、理屈で返してしまう。そして周りも腫れ物にさわる感じが続く。というループになっていたようなのです。
彼女はかなり理屈を言ってきたので、理屈で返す方がよいか難しかったのですが、でもやはり理解を示すであるとか、彼女の希望、理想とは何なのかを真摯に向き合う事が一番だったのです。
やっぱり愛の循環の方が重要だったのです。
現世で、この後バッタリ会えばどうなるのか、ちょっと興味ありますが。
10.まとめ
彼女は確かに自身の中での価値基準が置けるようになりました。
その結果、心にも余裕が持てるようにもなったようです。
また、何よりも自身に対して向き合い、責任が持てるようになったようです。
そして恨みの感情は無くなったようですね。
今回の恨みの紐解きは、彼女に対する理解、理想と向き合う。
愛の循環にあったようです。